2025/02/11
2025年2月10日、 阿部俊子文部科学大臣ならびに丹羽秀樹夜間中学等義務教育拡充議員連盟会長宛ての「夜間中学の制度改善に向けた要請書」を岡田敏之基礎教育保障学会会長名で提出しました。
【Ⅰ】就学援助制度と教員定数に関する法律の改正と財政措置の充実
① 「 就学援助制度 」を「全ての夜間中学生」も対象とする制度に改善し、各自治体の「夜間中学生への就学支援制度」の支えとなるよう国としての 財政支援を行ってください。(略)
② 多様な学習者が学ぶことを考慮し、より手厚い教育条件となるよう「義務教育標準法」の改正を行ってく
ださい。(略)
【Ⅱ】義務教育未修了や夜間中学の実情を踏まえ、より良い教育行政が実施されるような各自治体への指導・助言
「教育機会確保法」(基本理念)第3条5号には「 国、地方公共団体、教育機会の確保等に関する活動を行う民間の団体その他の関係者の相互の密接な連携の下に行われるようにすること。 」と明記されていますが、実績のある民間の団体を 、夜間中学新設を目指す自治体の「夜間中学検討委員会」に加えないなど、密接な連携ができていないケースも少なくありません。
また、昨年度の要請においては、各地で生起している夜間中学における諸問題について、具体例を挙げながら、多様な生徒の支援が行えるよう、改善のお願いをしました。しかしながら、今年度においても、生徒の願いや気持ちに寄り添うことなく、自治体や学校本位で、入学を断られるケースが生じています。その具体例を5つ挙げます。(略)
【Ⅲ】教育機会確保法の見直し
教育機会確保法附則には、「この法律施行後三年位以内にこの法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づき、教育機会の確保等の在り方の見直しを含め、必要な措置を講ずるものとする。 」とあります。この附則に則り、 不登校に関する調査研究協力者会議 、 フリースクール等に関する検討会議 、 夜間中学設置推進・充実協議会 の議論を経て、「 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の施行状況に関する議論のとりまとめ 」が令和元年6月に出されています。その中で示されている「対 応の方向性」においても、 上記の問題点を含め、まだ不十分であると言わざるを得ません。 また、その後の法の改正も行われていません。
「議論のとりまとめ」が行われた令和元年から既に5年が経過し、「現状・課題」も複雑化しており、再度議論の必要性を感じています。現在の「現状・課題」を整理し、再度「対応の方向性」を示す中で、法を見直し、指針やガイドラインの改訂が必要な時期に来ていると思われます。
*全文は、右下のボタンからダウンロードできます。A4・3頁