![大会情報](/common/img/taikai/mv.jpg)
ポスター発表 13:00~14:40 (団体名称の五十音順)
(1)埼玉に夜間中学を作る会
代表者:野川義秋
私たちは、1985年9月に「埼玉に夜間中学を作る会」を発足させ、同年12月に「川口自主夜間中学」を開始しました。川口市で火曜日と金曜日の週二回、自主夜間中学の教室を開きながら、公立夜間中学の設立を求めて運動を行ってきました。
今年で33年目になります。一昨年、念願の教育機会確保法が成立して、昨年の3月、川口市の奥ノ木市長が県内初の夜間中学を、来年の4月、川口市に開校すると明言しました。私たちも今、埼玉県や川口市と連携して、開校に向けた取り組みを行っています。
本研究大会では、川口自主夜間中学の教室のようすや埼玉での設立運動のことなどを、参加者の皆さんに知って頂けるようなものを展示したいと考えています。
(2)札幌遠友塾自主夜間中学
代表者:遠藤知恵子
札幌遠友塾自主夜間中学は、2年半の読書会活動の後、1989年10月にスタッフ募集を始め、翌年2月に賛助会員を募り4月に札幌市民会館会議室を教室にして開講しました。この時に100名を超える受講生が集まったため、一斉授業を中心に個別フォローを行う授業形式を採るようになりました。
市民会館の取壊し報道を機に交渉を重ね、2009年春より札幌市立向陵中学校の教室使用が可能となりました。毎週水曜日の夜に50分授業を二コマ、クラスは1年・2年.3年・じっくり(2003年開設:個別学習)の4クラスで展開し、希望により学年を何度でも繰り返し受講することができます。
教科担当はプリント検討会議を随時行い内容の充実に努め、授業後にはクラス毎のミーティングで個々の受講生の様子を出し合います。その内容は一斉メール等で共有化されます。また月に一度のスタッフ全体の会議を行います。受講生は高齢の女性が多いが徐々に事情を抱える若い人が増えています。
道内の函館・釧路・札幌の自主夜間中学は年1回全道交流会を行い、受講生の体験発表を中心に情報の交流を行なっています。
(3)鶴見橋「よみかきありがとう」の会(仮称)
代表者:黒川優子
90歳になる男性と共に「生きて来られた道」の聞き取りと基礎的な学習を1年前から続けています。家の事情で、夜間に小学校の授業を受けたり、10歳で奉公に出たりして、十分に学ぶことができず、決して平たんではない道を歩んで来られた方です。
現在、簡単な漢字を含む文章を読み、ひらがな・カタカナの書き方や数字の読み方書き方などを学習しています。今年は生まれて初めて、年賀状を出されました。まわりの「いったい何勉強してんの」という心ないことばに傷つかれることもありますが、「年は関係ないやんか」「一つでも読めたら嬉しいときある」「今日はどんな話を先生にしようかな。先生からどんな話を聞けるんかな」という思いで、毎週一回、老人ホームから車いすを押して通って来られます。
学習パートナーとしての私は、逆に教えられることばかり。一つの「詩」を読んでも、今までの経験に基づいた深い読みに感動させられます。ゴールはない遅々とした学びですが、『人にとって学ぶことの意味は何か』を問い返しながら、二人で歩んでいます。
(4)トヨタ財団国際交流プログラム・日韓基礎教育共同プロジェクト
添田祥史・長岡智寿子・金侖貞・新矢麻紀子・棚田洋平・森実
これまでアジアにおける基礎教育保障問題は、発展途上国の問題として認識されてきました。しかし、経済的発展を遂げ、学校教育制度が普及した日本や韓国のような国では、経済的事由や移民問題等により、基礎教育の機会から排除された人々の学び直し支援等、先進国特有の課題が浮上しています。
グローバリゼーションの下で生じているこれらの課題の解決に向けては、国内の限られた情報だけでは展望が見出しづらい状況にあり、お互いの情報と交流を熱望してました。
そこで、本プロジェクトは、基礎教育保障学会と韓国の全国文解・基礎教育協議会の協力を軸に、基礎教育保障に関する政策、教材、スタッフの養成と研修に関する知見及び実践と研究と政策をつなぐ領域横断的な組織づくりのあり方を相互交流することを通じて、アジアにおける基礎教育保障の解決にむけた国際協同をめざします。
トヨタ財団からの助成を受けて、2017年11月から2019年11月までに次の4つの事業を行います(特設ホームページはこちら)
①国際シンポジウムや交流活動を日韓交互に開催する。(学びあい交流事業)
②優れた教材と教材開発の視座と方法を翻訳し、共有する。
③日韓両国の基礎教育保障の現状と課題をまとめたブックレットを作成し両言語で出版する。
④「変化の記録」動画(日韓字幕付)を作成し、ネット配信を行う。
外国につながる子どもたちの発達保障と基礎教育
山田泉(にんじんランゲージスクール校長/法政大学元教授/基礎教育保障学会顧問)
夜間中学を作る運動は,夜間中学を作らないですむ社会を作る運動と同時に進める必要があると思います。「不登校」の児童生徒が十数万人という状況が長く続いています。さらに外国につながる子どもで,「不就学」と言われる者や十分な学力をつけないまま学校教育を終える者たちが少なくありません。
これらの者たちの多くは,十全な社会参加が難しい状態にあると思われます。これらの状況を変え,誰もが十全に社会参加できるようにするためには,この国の教育,学校文化,社会文化を根本的に変える必要があると考えます。それは,この国の人々の意識を,単一文化主義から多文化主義に変えるということです。社会にとって多様性こそ「豊かさ」なのです。まさに教育によって「違いを豊かさに」する社会を創造してこそ,一人一人が生きがいを持って社会参加し,社会貢献ができるのです。
わたしは,このように人々の意識と社会のあり方を変える教育にするために,まず外国籍の子どもたちに「義務教育」を保障することから始めるということを提案します。そのことが,「不登校」や「不就学」の問題を克服するための入り口となり,夜間中学を必要としない社会にする一歩となると考えます。
今回,みなさんと議論できる機会をいただけることを,たいへん光栄に思います。
<お話する内容>
1 三つのエピソード
2 移民受け入れ先進国で
3 「不就学」の問題
4 外国籍の子どもの学校への受け入れ問題
5 日本社会が「多文化主義」に踏み出すために
6 日本の学校文化の進化のために
7 個人と社会の関係の変化
写真は所属先のホームページより転載
<第1室> 自由研究発表
司会 新矢麻紀子(大阪産業大学)
14:30~14:55
「基礎段階の言語使用者」の読字能力評価尺度の作成/伊藤秀明(筑波大学)
14:55~15:20
国際化社会における「保護者に伝わるやさしい日本語」―学生が書換えた「感染症のお知らせ」文からみる課題点/西尾広美(国立国語研究所)
15:20~15:45
「ふくおか子ども応援プロジェクト」精神疾患の親と暮らす子どもの支援活動 1年目で見えてきたもの―子どもの非認知能力育みへの挑戦/山口雅世(福岡大学大学院)
15:45~16:10
韓国の代案教育/代案学校は時代的産物としていかに誕生したのか?―386世代・1980年代の社会的背景との関わりで/宋美蘭(北海道大学大学院教育学院附属子ども発達臨床研究センター)
16:10~17:00
討 議
<第2室> 自由研究発表・実践報告
司会 藤田美佳(奈良市立月ケ瀬公民館/奈良教育大学)
14:30~14:55
識字実践における「文集」の役割と機能/添田祥史(福岡大学)
14:55~15:20
兵庫県内における公立夜間中学についての現状と課題/桜井克典(尼崎市立成良中学校琴城分校)
15:20~15:45
学びの多様性とこれからの夜間中学/岡田敏之(京都教育大学)
15:45~16:10
夜間中学通学時の課題と減災への一考察/宮川正文(夜間中学生徒)
16:10~17:00
討 議
第3回研究大会初日のフィールドワーク「大久保で多文化・多様性のまちを体感する—外国につながる人びとの識字・基礎教育保障について考えるために—」は、定員になりましたので申込を締め切らせていただきます。
多くの方の参加申し込みを頂きまして、ありがとうございました。
基礎教育保障学会・第3回研究大会
9月2日(日)午前・全体会
10:00~10:50 基調講演
「外国につながる子どもたちの発達保障と基礎教育」
山田泉さん(法政大学元教授/基礎教育保障学会顧問)
11:00~13:00 シンポジウム
「基礎教育保障における夜間中学政策」
<コーディネーター>
野山広さん(国立国語研究所)
<パネリスト>
野川義秋さん(埼玉に夜間中学を作る会代表)
工藤慶一さん(北海道に夜間中学をつくる会共同代表)
日景ゆみさん(松戸自主夜間中学学習者)
宇佐美淳さん(松戸自主夜間中学学習者・柏自主夜間中学学習者)
<ディスカッサント>
山田泉さん
後半の討論(ディスカッション)を活発にするコメントをもらいます。
写真は、首都大学東京ホームページより転載。
基礎教育保障学会 第3回研究大会 交流会
~みんなが楽しい、出会いと対話のための時間~
「学会の懇親会って敷居が高い」、「単独参加だと懇親会には参加しづらい」、「知りあいがいないので話かけづらい」、そういう声をよく耳にします。学会に限らず懇親会って、良い意味でも悪い意味でも「同窓会的な雰囲気」になりがちです。そんなイメージを一新して、対話と交流にあふれ、みんなが参加してよかったと思う時間になるよう工夫します。ぜひ、お気軽にご参加ください。
右下のボタンからチラシをダウンロードできます。A4・片面1枚
【会場】ルヴェソンヴェール南大沢(首都大学東京 国際交流会館1階)
【形式】立食 ビュッフェスタイル
【時間】2018年9月2日(日)17:30~19:30
【会費】2,500円(小学生以下無料)
美味しい食事とソフトドリンク付
*缶ビール200円、缶酎ハイ200円、グラスワイン300円で販売。
【内容】
17:30~17:40 あいさつ 乾杯
17:40~18:10 会食中心の歓談
18:10~18:30 見城慶和さん(夜間中学元教諭)のハーモニカ演奏大会実行委員会紹介
18:30~19:00 テーマ別で歓談
A 基調講演者と語りたい
B シンポジストと語りたい
C 発表報告者と語りたい
D 自由に語りたい、食べたい
19:00~19:20 リレートーク
夜間中学、識字学級、地域日本語教室、障がい者継続教育、生活困窮者自立支援の関係者に発言してもらいます。
19:20 閉会あいさつ
申込:2018年8月15日(水)までに学会事務局(info@jasbel.org)まで。大会参加申込時(7月末にまでにtaikai@jasbel.org)でも構いません。
写真は、ルヴェソンヴェール南大沢ホームページより転載。
第3回研究大会における「自由研究発表」「実践報告」「ポスター発表」の申込受付期間を2018年5月21日(月)~6月21日(木)としておりましたが、発表予定枠にまだ余裕があるので、その期間を延長いたします。
具体的には、申込受付の締め切りを2018年7月22日(日)までとし、「自由研究発表」および「実践報告」をご希望の方は、「発表申込書」とともに「発表要旨集」のための原稿もお送りください。(詳しくは、「発表要項」をダウンロードしてお読みください)
それでは皆さま、ふるってお申し込みください。よろしくお願いいたします。
*この記事は、2018年6月28日に更新したものを再掲してます。
第3回研究大会のチラシです。ご活用ください。
右下のボタンからダウンロードできます。
【9月1日(土)】
フィールドワーク「大久保で多文化・多様性のまちを体感する」
(7月31日まで。先着40名、受付順)
【9月2日(日)】事前申込をお願いします。
8:30~ 受付
9:00~10:00 総会
10:00~10:50 基調講演
山田泉(法政大学元教授/基礎教育保障学会顧問)「外国につながる子どもたちの発達保障と基礎教育」
11:00~13:00 全体シンポジウム
「基礎教育保障政策と夜間中学」
13:00~14:30 昼食 ・ポスター発表
14:30~17:00 自由研究 発表・実践報告
17:30~19:30 交流会
チラシ表面 チラシ裏面
*定員に達しましたので、申込を締め切らせていただきました。2018年7月28日
基礎教育保障学会 第3回研究大会フィールドワーク
「大久保で多文化・多様性のまちを体感する
—外国につながる人びとの識字・基礎教育保障について考えるために—」
第3回研究大会では、多文化・多様性のまちとして知られている東京都新宿区の大久保で
フィールドワークを企画しました。魅力あふれる講師陣が、大久保のまちを案内します。
右下のボタンからチラシをダウンロードできます。
大久保の特色は、このまちで学び、働き、生活する外国人の多様性にあります。国籍・出身地
はもとより、言語・文化・宗教・職業・世帯属性等も一括りでは語れません。いまや住民の4割が
外国人という環境のなかで、保育園・小学校・中学校では、さまざまな文化的背景をもつ子どもたち
が共に遊び学んでいます。次々と新たな国や地域から、夢を抱いて流入する人びと。そのエネルギー
が渦巻くなかで、大久保は多くの課題を抱えています。外国につながる人びとへの日本語指導や
学習支援もそのひとつです。
一方、これら多くの課題に向き合うために、地元の人、大久保に根を下ろした外国人、
支援団体、行政などが、その解決策について模索しています。今回のフィールドワークの目的は、
多文化・多様性のまちを体感することです。このまち歩きを通して、地域社会の豊かさと課題を
実感し、識字・基礎教育保障の重要性について考えたいと思います。
【日時】2018年9月1日(土)13:00~16:30 参加費1,000円
【内容】
13:00 受付(集合場所:しんじゅく多文化共生プラザ)
13:30 しんじゅく多文化共生プラザ出発
山本重幸さん(大久保を拠点として活動する市民グループ代表)
稲葉佳子さん(法政大学大学院デザイン工学研究科教員)
阪口毅さん(立教大学コミュニティ福祉学部教員)
15:00 大久保地域センター到着
15:15 フィールドワーク振り返り(講師からの説明、意見交換等)
16:30 終了
17:00 希望者でタイ料理店で懇親会 会費3,000円
【申込方法】
7月31日(火)までに、件名を「フィールドワーク申込」とし、
①名前、②所属、③連絡先(携帯電話番号等)を記入のうえ、
taikai@jasbel.org に送信してください。定員は40名(申込順)。
チラシ表面 チラシ裏面
第3回研究大会の「大会案内」ができました。
右下のボタンからダウンロードできます。みなさまのご参加をお待ちしております。
フィールドワークの詳細については、今しばらくお待ちください。近日中にお知らせいたします。
【日時】2018年9月1日(土)、2日(日)
【会場】首都大学東京 南大沢キャンパス
【参加費】フィールドワーク1,000円
大会参加費(会員1,000円、非会員2,000円、大学生・院生500円)
*識字・日本語教室、夜間中学等の学習者は無料です。
【申込】
事前のお申込みをお願いします。件名を「研究大会申込」とし、
①名前、②所属、③連絡先(携帯電話の番号など)、④交流会の出欠を記入したうえで、
7月31日(火)までに taikai@jasbel.org に送信してください。
なお、手話通訳をご希望の方や一時保育をご希望の方は、その旨をご記入をお願いします。
みなさまのご参加を心よりお待ちしております。
写真:首都大学東京のホームページより転載